痛風・高尿酸血症について

皆様、いつもコラムをご覧頂きまして、誠にありがとうございます。

今回コラムを担当させて頂きます、高知県にございます「ひかり薬局高知インター店」です。

今回のコラムテーマは、『痛風・高尿酸血症について』です。

皆様は、連続テレビ小説「あんぱん」を御存じでしょうか?

「アンパンマン」を生み出した夫婦の愛と勇気の物語、御覧になっている方も多いのではないでしょうか?

その舞台となる高知県には、このGWもたくさんの観光客の方においでいただいたようです。

さて、皆様、高知の美味しい食べ物といえば、何を思い浮かべますか?

観光客の皆様からは、「まずはカツオ、そして地酒」との声を多く頂いております。

そこで、ピンときた方!もしかして「痛風・高尿酸血症」で尿酸値を意識された食生活をされているのでは!?

 

【痛風・高尿酸血症とは】

突然足などの関節に激しい痛みに襲われる病で、全国の推定患者数は、130万人(※1)とも言われており、ここ30年で5倍も増加しております。

主な原因はビールや肉、魚などに含まれるプリン体。多く摂りすぎると尿酸値があがり、痛風を引き起こすとされています。

重症化すると手に大きなこぶができたり、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気のリスクを高めることもあります。

 

健康診断を毎年必ず1回受診し、健康診断結果表の尿酸という欄を確認してみてください。

尿酸値が7.0mg/dlを超すと高尿酸血症です。

それが長く続き痛みを伴うと痛風です。

【尿酸とは】

プリン体が肝臓で分解される時に作られ、尿中に排泄されます。しかし体内のプリン体が増えすぎると尿酸が過剰に生成されてしまい、血中を流れ、やがてかたまり結晶となり、足の指などの関節に溜まってきてしまいます。その結晶がはがれると白血球が異物とみなし除去しようと攻撃してしまう事で炎症がおき、痛み、腫れを引き起こすのです。

【発作が起こったら】

・患部を冷やす(患部は心臓より高い位置)

・患部をもまない

・長い入浴をしない(血流が増え、痛みが悪化することがある)

【治療】

飲酒制限

・発作中は控える

・禁酒ではないが、適量範囲に抑える

・プリン体0のビールならたくさん飲んでいい、ということではありません。

 アルコールそのものでも上がります。

 キリンラガービール 約24mg/350ml(※2)

 アサヒスーパードライ 18.2mg/350ml(※2)

 サントリーザ・プレミアムモルツ 約33.3mg/350ml(※2)

水分摂取

・1日2リットルを目安に

お薬

・自己判断で中止しない

食事の改善

・プリン体は、1日400mgを超えないように(カツオ80g―刺身5切れ―169mg(※3)

・尿を中性に近づける食品を摂る(ひじき・わかめ・昆布等)

運動

・ウォーキングのような軽い有酸素運動を生活習慣に取り入れましょう!!

【合併症】

尿路結石・腎機能の低下・動脈硬化等

【目標】

目標数値:6.0mg/dl以下

尿酸値は、日々の生活の影響を受けて変動しているために、生活習慣の改善や薬の服用により、尿酸値が6.0mg/dl以下になるようにしておくことが大切です。

しかし、患者にとって「喉元すぎれば熱さを忘れる」疾患の典型であり、基準値以下で痛みが無いことから薬を止めてしまうことも多いです。

お薬は、医師の指示通り服用を続け、プリン体を多く摂り過ぎないなど、食生活を見直し、焦らずじっくり治療しましょう。

 

最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。

またお薬に関するご質問のある方は、是非薬局までおこしになって、薬剤師にお尋ねください。そしてしっかり尿酸値コントロール、是非高知の美味しいお酒、カツオを堪能しにきいや。

カツオの旬は、秋にもあるきね。まちゆうき、ほいたらね。

 

※1)厚生労働省国民生活基礎調査2022年

※2)各社HPより

※3)日本食品標準成分表2010、高尿酸血症・痛風ガイドライン

 

 

執筆担当:ひかり薬局高知インター店